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薬剤師国家試験の合格率はどれくらい?これまでの推移と合格者の内訳

薬剤師国家試験の合格率は、近年68〜72%前後で推移しています。2025年に実施された第110回試験では全体合格率68.85%、新卒合格率は84.96%という結果でした。合格率だけを見ると約7割が受かる試験に思えますが、新卒と既卒では大きな差があり、また大学の設置主体によっても傾向が異なります。

この記事では、薬剤師国家試験の合格率の現状と推移、合格者の内訳を詳しく解説し、合格率を超えるために意識したい対策まで紹介します。

薬剤師国家試験の合格率は一定水準で推移している

薬剤師国家試験の合格率は、ここ数年安定した水準を保っています。全体で約7割、新卒に限れば8割を超える合格率となっており、しっかり準備すれば十分に合格を狙える試験といえます。ただし、この数字の背景を正しく理解することが、対策を立てるうえで重要です。

直近の薬剤師国家試験合格率

2025年2月に実施された第110回薬剤師国家試験では、出願者1万4,825人、受験者1万3,310人のうち9,164人が合格しました。全体合格率は68.85%で、前年の第109回(68.43%)から0.42ポイント上昇しています。

新卒者の合格率は84.96%と高水準を維持しており、前年の84.36%から0.6ポイント増加しました。一方、6年制既卒者の合格率は43.94%で、新卒と比較すると約40ポイントもの差があります。この新卒と既卒の合格率差は、現役で合格することの重要性を示しています。

他の医療系国家試験と比べた合格率

薬剤師国家試験の合格率を他の医療系国家試験と比較すると、その位置づけがより明確になります。医師国家試験は例年90%前後、看護師国家試験も90%前後の合格率を維持しています。

国家試験名 合格率の目安 特徴
医師国家試験 90%前後 大学での絞り込みが厳しい
看護師国家試験 90%前後 受験者数が多い
薬剤師国家試験 68〜72% 既卒者の再受験が多い
歯科医師国家試験 65%前後 薬剤師と同程度

薬剤師国家試験の合格率が相対的に低く見えるのは、既卒者を含む全体の数字であることが一因です。新卒に限れば85%前後となり、他の医療系国家試験と同程度の水準といえます。

合格率の数字を見るときの注意点

合格率を正しく理解するには、いくつかの注意点があります。まず、大学によっては卒業試験を厳しく設定し、合格見込みのない学生を卒業延期させるケースがあります。この場合、見かけ上の新卒合格率は高くなります。

また、合格基準は相対評価で決まります。平均点と標準偏差を用いた計算式により、その年の受験者全体の成績分布に応じてボーダーラインが変動します。つまり、自分の実力だけでなく、周囲の受験者との相対的な位置が合否を左右するのです。

薬剤師国家試験の合格率の推移とその背景

薬剤師国家試験の合格率は、年度によって若干の変動はあるものの、大きな傾向としては安定しています。過去のデータを見ることで、試験の難易度変化や傾向を把握することができます。

ここ数年の合格率の変化

過去5回の薬剤師国家試験における合格率の推移を確認すると、全体合格率は68〜69%の狭い範囲で推移していることがわかります。新卒合格率も83〜85%で安定しています。

回次 実施年 全体合格率 新卒合格率 受験者数
第106回 2021年 68.66% 83.85% 約14,000人
第107回 2022年 68.02% 約84% 約14,000人
第108回 2023年 68.66% 約81% 約14,000人
第109回 2024年 68.43% 84.36% 約14,000人
第110回 2025年 68.85% 84.96% 13,310人

毎年9,000人以上の合格者が出ており、薬剤師の安定供給という観点からも、極端に合格率が下がることは想定しにくい状況です。

合格率が上下する年の特徴

合格率が変動する年には、いくつかの特徴があります。出題形式の変更や、新しい分野からの出題が増えた年は、受験者が対応しきれず合格率が下がる傾向があります。

一方で、過去問の傾向に沿った出題が多い年は、対策が立てやすく合格率が上がることがあります。ただし、相対評価のため、全体的に得点が上がれば合格基準点も上昇する点には注意が必要です。

禁忌肢(選んではいけない選択肢)の存在も合格率に影響します。禁忌肢を一定数以上選ぶと、総得点に関係なく不合格となるため、知識だけでなく慎重さも求められます。

制度や出題傾向が合格率に与える影響

薬剤師国家試験は6年制薬学教育に対応した出題となっており、臨床現場を意識した実践的な問題が増加しています。単純な暗記だけでは対応できない、考えさせる問題が増えている傾向があります。こうした背景を踏まえると、薬剤師国家試験の合格率に影響している制度や出題の特徴は、次の点に整理できます。

  • 必須問題は基礎的な知識を問う90問で、正答率70%以上が基準
  • 一般問題の薬学理論問題と実践問題は、より深い理解が求められる
  • 実務実習での経験が活きる出題も増加傾向

このような出題傾向の変化に対応するには、過去問演習だけでなく、体系的な知識の整理と応用力の養成が欠かせません。

薬剤師国家試験の合格者に共通する特徴

合格率のデータを見るだけでなく、実際に合格する人にはどのような特徴があるのかを知ることで、自分の対策に活かすことができます。新卒・既卒の違いや、勉強スタイルの傾向を見ていきましょう。

新卒と既卒で合格率に差はあるか

第110回試験のデータでは、新卒合格率84.96%に対し、6年制既卒者の合格率は43.94%でした。実に40ポイント以上の差があります。この差が生まれる理由はいくつか考えられます。

区分 合格率 主な特徴
新卒 84.96% 大学のサポートを受けながら学習できる
6年制既卒 43.94% 仕事との両立が難しい場合が多い
その他(旧4年制等) 48.10% ブランクの影響を受けやすい

既卒者は勉強時間の確保が難しいこと、モチベーションの維持が課題になりやすいこと、最新の出題傾向への対応が遅れがちなことなどが、合格率の差につながっていると考えられます。

合格者に多い勉強スタイル

合格者に共通する傾向として、計画的な学習と継続的なアウトプットが挙げられます。単にテキストを読むだけでなく、問題を解きながら知識を定着させるスタイルが効果的です。

  • 早い段階から過去問に触れ、出題傾向を把握している
  • 苦手分野を後回しにせず、バランスよく学習している
  • 間違えた問題を記録し、繰り返し復習している
  • 模擬試験を活用して本番の時間配分を練習している

特に重要なのは、インプットとアウトプットのバランスです。知識を入れることに時間をかけすぎると、実際に問題を解く力が身につきません。

不合格になりやすい人の傾向

一方、不合格になりやすい人にも共通点があります。最も多いのは、学習開始が遅れて十分な対策期間を確保できないケースです。6年生の実務実習や卒業研究と並行しての学習は想像以上に大変です。

また、特定の科目に偏った学習をしてしまう人も苦戦しやすい傾向があります。薬剤師国家試験は出題範囲が広く、苦手科目を放置すると全体の得点率に影響します。必須問題では各領域で一定以上の正答率が求められるため、極端な弱点は致命的になりかねません。

合格率を安定して超えるために意識したい対策

合格率68〜69%という数字は、約3割の受験者が不合格になることを意味します。確実に合格圏内に入るためには、効果的な学習戦略が必要です。ここでは、合格者に共通する対策のポイントを紹介します。

インプットだけでは合格率に届かない理由

参考書を読む、講義動画を見るといったインプット学習だけでは、試験本番で得点を取る力は身につきません。理解したつもりでも、実際に問題として問われると答えられないことが多いのです。

薬剤師国家試験は345問という大量の問題を2日間で解く試験です。限られた時間内で正確に判断するためには、知識を引き出す訓練が欠かせません。インプット7割、アウトプット3割という配分では不十分で、むしろアウトプットの比重を高めることが重要です。

国試に近い形でアウトプットする重要性

アウトプット学習を効果的に行うには、本番に近い形式で問題を解くことが大切です。過去問演習はその基本ですが、同じ問題を何度も解くと答えを覚えてしまい、実力が測れなくなるという課題があります。こうした点を踏まえ、国試に近い形でアウトプットするために、次のポイントを意識しましょう。

  • 過去問は出題傾向の把握と基礎固めに活用する
  • 模擬試験で本番の時間配分と緊張感を体験する
  • 初見の問題に対応する力を養うために予想問題も取り入れる
  • 間違えた問題は解説を読むだけでなく、類題で確認する

特に、本番では見たことのない問題も出題されるため、初見問題への対応力を高めておくことが合否を分けるポイントになります。

スキマ時間を合格率に変える学習設計

薬学部6年生は実務実習、卒業研究、就職活動と、まとまった学習時間を確保するのが難しい状況にあります。そこで重要になるのが、スキマ時間の活用です。通学時間や待ち時間など、1日の中で生まれる細切れの時間を学習に充てることで、総学習時間を増やすことができます。

スキマ時間に適しているのは、短時間で完結するアウトプット学習です。一問一答形式の問題演習であれば、5分程度でも取り組むことができます。継続的に小さなアウトプットを積み重ねることで、知識の定着率が高まり、本番での得点力につながります。

まとめ

薬剤師国家試験の合格率は全体で約69%、新卒に限れば約85%と、しっかり準備すれば合格できる試験です。ただし、新卒と既卒では40ポイント以上の差があり、現役で合格することの重要性は明らかです。

合格者に共通するのは、早い段階からの計画的な学習と、アウトプットを重視した勉強スタイルです。インプットに偏らず、問題演習を通じて知識を使える形に変えていくことが、合格率を超えるための鍵となります。限られた時間を有効活用し、着実に準備を進めていきましょう。

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